ペアリングワイン

高級ワインは持ち込むべき?レストランで高級ワインを割安に楽しむ方法

『レストランのワインはとにかく高い!』

当然と言えば当然のことですが、レストランでワインを注文すると結構なお値段になります。特にホテルや高級レストランの場合、1本で1万円くらいはしますよね?

私がソムリエとして勤めていた場所は一番安くて6,500円くらいからスタートでした。ましてや良いワインともなると数万円…グラスワインで2,000円を超えるものなどがあると、よく 「これってボトルの値段ですか?」 なんて聞かれることもしばしば…。

そこにはもちろん雰囲気代やサービス代があるのですが、とは言っても雰囲気の良いレストランで、かつ良いワインをできるだけ安く飲みたい!というワガママを叶える為 “持ち込み” という裏技を使ってみてください!

あくまで裏技なので、そこには最低限の“マナー”と“カッコつけ”が必要になってきますのでそこを踏まえてお伝えしていきます!

高いワインほど持ち込みで得するカラクリ

スーパーで持ち込み用にワインを購入した場合です。
1,500円 or 10,000円のワインだと…
持ち込むなら断然後者の方がお得です!!

その理由として、レストランではこんなルールがあります。

⚫︎安いワインは原価率が安い
⚫︎高いワインほど原価率も高い
⚫︎持ち込み料は何を持ち込んでも同じ

問題は原価率の設定にあります。あくまで数字は参考ですが、私が実際に働いていた職場を例に出しみて見ますと、ワインの原価率はおおよそ平均して30%ですが、それぞれ原価率は変わってきます。

ちなみに私が勤めたお店のワインリストですと…
6,500円くらいのワインで原価 x 4くらい
10,000円くらいのワインで原価 x 2.5くらい

ですから1,500円のワインを買って持ち込んだところでレストランで頼むのと大差ないんです!むしろレストランは良いワインでも輸入会社から直接安く仕入れられるのでスーパーより安く仕入れている可能性すらあります。

しかし、10,000円のワインはどうでしょうか?10,000円のワインをレストランで注文するとします。ここではそのレストランの持ち込み価格 5,500円とします(かなり高いですが本当にそうでした…)

⚫︎持ち込み
10,000(原価)+5,500(持ち込み料)=15.500

⚫︎レストランで注文
10,000(原価)x 2.5(レストランの掛け率)=25,000

というわけで持ち込みの方が約10,000円お得になりました!!10,000円のワインはすこし高いかもしれませんが、高いワインであればあるほどレストランで注文するより安く済むことは間違いありません!

ここが肝心!ソムリエの私は持ち込みを快く思っていなかった…

奮発したデート、記念日であれば高いワインを開けなくても持ち込みの方がお得、ということは分かりましたがお店サイドはどうでしょうか?

お客様が得をするということは…結果として、お店はその分売り上げが落ちるというなんとも複雑な心境になります。

そこで、以下は裏技を使わせてもらう上でのお店側への配慮です!

⚫︎前提として持ち込みの不可を事前に確認する
⚫︎乾杯はお店のものを注文する
⚫︎あまりにも安いワインは持ち込まない(格好良くない!)
⚫︎お店のリストにあるものは持ち込まない(お店にないから持ち込ませてくださいと言いましょう)
⚫︎複数本ある場合はセラーのスペースなどを気にかける
⚫︎複数本ある場合グラスを交換してもらえるか確認する(洗うのが大変!)
⚫︎できれば料理をたくさん頼んでほしい

などなど、スタッフも人間の集まりですから、私のようにプロ意識がやや欠けた(笑)スタッフもいないこともないので、ちょっとしたお店側への配慮を意識すると、より裏技が受け入れてもらいやすくなることでしょう!

なんだかんだお店を気遣ってくれていることが分かると、お店のスタッフも張り切ってサービスしてくれるのでいろんな意味でお得になりますね。

安くすませたのにカッコいいの謎

持ち込みを使ってワイン代は安く済ませました。でも男性ならばレストランでカッコよく振る舞えないと意味がない!ということで、更なる持ち込みの際のカッコ良い(お店側から見て)をご説明していきます!かなり男性向けの内容となっておりますがご容赦ください…

⚫︎少しワインを残す(これは定番!)
⚫︎事前に預ける(お連れの女性が来る前に!)
⚫︎銘柄に気を付ける(少し良いワイン、珍しいワインが◯)
⚫︎少しワインの知識があれば尚よし

ある時、カップルのお客様がいらして男性がワインを持ち込みたいとおっしゃりました。テラスのお席に座り、(そのときテラスの席はすいていたのであまりスタッフもいなかった)ワインを開けると「手酌でいいです」とおっしゃり、スタッフは「あまり話しかけられたくないお客様かな?」と話していたところよく見ると、開けたワインはお店の価格で15万円ほどの高級ワインでした。

思わず帰り際にすこしお話しすると案の定、ワインについても知識のある方でした(ワイン業者とかではなく)。

そして、

 「残り飲んでください。」

と1/5くらい残ったボトルを置いて帰っていかれました。

ソムリエのスタッフでさえなかなかテイスティングできないワインを皆で試飲でき、手間をかけないようスタッフにも配慮していただいたことに感動し、次は何かもっと何かしてあげたい!と皆で思いました。

せっかく良いワインを開けるなら美味しい料理も一緒に食べたい!という願望をお手頃に叶える方法は“持ち込み”ですが、では美味しいワインと、美味しい料理が自宅で食べられるから満足かというと、それはすこし違うと思います。

レストランの満足度は料理、ワインだけでなく、その場の雰囲気、時間を楽しむという気持ちがとても大切な要素です。

持ち込み+スマートな配慮でより一層、リーズナブルに素敵な時間を過ごせるようになることと思います。

是非参考にしてみてください!

大蔵 厚

東京都中心に17年間レストランやバーで食事とお酒に関わりながらソムリエ、バーテンダとして店舗の運営に携わる。
現在、古民家再建の為に生まれ故郷の長野県にて移住し、執筆や民泊事業を営みながら自由を目指して奮闘中。 大蔵 厚の記事一覧 

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