ペアリングワイン

旬の春野菜を使ったお料理と楽しむワイン

日本には四季を楽しむ文化がありますが、その四季に合わせてワインを楽しむのも良いものです。

今まさに、少しずつ気温が上がりはじめ、春の訪れを感じる季節となりました。そんな春の楽しみのひとつが“春野菜”です。

春野菜と言えば、タラの芽やふきのとうなどの山菜、新じゃが、新玉ねぎ、春キャベツ、タケノコなど、多くの野菜があげられます。

春野菜の特徴は、そのみずみずしさと、冬に蓄えたエネルギーを放出するかのように表れる、甘み、苦み、香りなど様々です。

そんな春野菜と一緒に楽しむワインをご紹介していきます。

春におすすめのワインの特徴

まずは春におすすめのワイン3つの特徴をそれぞれご紹介していきます。

春の陽気を漂わせるワインと言えば、その色合いからまずはロゼワインがあげられます。ロゼワインは辛口から甘口、白ワインのように爽やかでフルーティーな味わいから、赤ワインのようにずっしりと飲みごたえのある味わいまで、様々な種類が存在しますが、春にはフルーティーでありながら、辛口のロゼワインがおすすめです。

辛口のロゼでおすすめは、フランスのプロヴァンス地方のグルナッシュやシラーなど重めの品種を使ったものですと、お料理との相性も抜群です。

春におすすめのワインのもう一つが、春の訪れを感じさせるような「果実味が豊か」な白ワインです。ソーヴィニョン・ブランはまさに、ハーブやグレープフルーツのフレッシュで爽やかなフレーバーが特徴的で、春にはぴったりのワインです。また、ヴィオニエは華やかな香りとリッチでおおらかなコクのある果実味が特徴の白ワインとなっています。

そして最後に、程よい渋味や酸味の赤ワインが、春に楽しむワインとしておすすめです。メルローは、きめ細やかなタンニン(渋味)と、まろやかな口当たりが特徴です。また、カルメネールはフルーティーでタンニン控えめで、春におすすめのワインです。

そんな、春におすすめのワインを、旬の食材の春野菜と一緒に楽しんでみるのはいかがでしょうか。

春の訪れを知らせる山菜とワイン

まずは、春野菜と言えば、ふきのとう、わらび、うどなどの山菜です。山菜の特徴として、アクや苦味などのクセがあり、特に春の山菜は格別です。なぜなら、寒い冬の間ずっと土の中でたくさんの栄養を蓄えていた山菜が、春になっていっきに芽吹くことで、苦みと共に旨みも一層増してくるのです。

また、特に雪の降る地域(東北や北陸)で山菜が美味しいとされているのは、春になると山に降り積もった雪が解け、その雪解け水が山菜のアクを抜いてくれるので、美味しくなります。もともとは、鮮度が落ちやすく、そこでしか食べることのできなかった山菜ですが、近年は流通の発達によりスーパーでも並ぶようになりました。

是非、そんな旬の食材の山菜を使ったお料理を楽しんでもらいたいです。山菜を楽しむ調理方法として、油で揚げる、天ぷらやフリッターなどがおすすめです。また、さっとゆでて水気を絞り、マヨネーズや味噌を和えたり、シンプルにお浸しにしたりしても美味しく召し上がれます。

そんな山菜とぴったりなのが、山菜の旨みを引き立たせ、アクや苦味を柔らかくしてくれるのが、ソーヴィニョン・ブランやヴィオニエなどの白ワインです。

また、赤ワインも山菜と一緒にすることで、それぞれの苦味や旨みを引き立たせてくれます。イタリアのトスカーナのメルローは滑らかな口当たりと程よい果実味で、カジュアルな雰囲気でいただけるのでおすすめです。

甘みが特徴の春野菜とワイン

次の春野菜といえば、新じゃがや新玉ねぎ、春キャベツなど、柔らかな口当たりと、やさしい甘みが特徴の野菜です。通常じゃがいもや玉ねぎは、収穫されてから1か月以上貯蔵されてから出荷されるのですが、春先に収穫された新じゃがや新玉ねぎは収穫されてからすぐに出荷されることで、みずみずしさと甘みが引き立ちます。

また、春キャベツは秋に種をまき春に収穫されるのですが、夏に種をまき冬に収穫される冬キャベツに比べると、内部は黄緑色をしており、葉の巻きがゆるいのが特徴です。さらに、葉は柔らかく、甘みが強いのが特徴です。

新じゃがは皮を剥かずに食べやすい大きさに切って、さっと炒めて粉チーズを振って召し上がったり、ベーコンと一緒にオイルで煮てアヒージョにしたりして召し上がるのがおすすめです。

新玉ねぎや春キャベツは、甘みが強いので、生のままサラダもおすすめです。サラダにするなら、濃厚なシーザーサラダドレッシングやチーズなどがおすすめです。

また、さっと火を通すことで甘みが増すので、さっと炒めたり、煮たりしても美味しく召し上がれます。旬の食材のアサリなどと一緒に、春キャベツや新玉ねぎを蒸しても美味しいです。

甘みが特徴の春野菜と一緒に楽しみたいワインは、まさにフルーティーで、春野菜の甘みを引き立ててくれるような辛口のロゼです。フランスのプロヴァンス地方のグルナッシュは、果実味があります。

また、春野菜の柔らかな口当たりと共に頂く、果実味のある白ワインもおすすめです。チリのレイダ・ヴァレーはソーヴィニヨン・ブランの銘醸地として知られており、爽やかな味わいが特徴です。

春野菜の代表タケノコとワイン

春野菜の代表といえばタケノコです。年中タケノコの水煮は出回っていますが、生のタケノコは、まさに春しかお目にかかることはないでしょう。タケノコは、クセがなく、ほんのりとした甘みと、シャキシャキとした食感にあります。また、生のタケノコの香りも春の訪れを感じさせてくれます。

タケノコは、煮る、焼く、蒸す、揚げるなど、様々調理方法が楽しめるのも特徴です。定番のタケノコごはんや優しい味の煮物には、果実味のある白ワインを合わせることでタケノコの香りや甘みを感じることができ、その食感も楽しむことができます。

フランスに次いで、ニュージーランド産のソーヴィニョン・ブランも有名ですが、果実の華やかな風味が感じられ、タケノコ料理にはおすすめです。

赤ワインと合わせるなら、ちょっとパンチのある濃い味付けがおすすめなので、バルサミコ酢を使って洋風炒め、お肉と一緒にこってりとした煮物がおすすめです。バルサミコ酢と同じ産地の、イタリア産の赤ワインを合わせてみるのも良いでしょう。

また、シンプルなタケノコの天ぷらや素焼きには、お料理を引き立たせてくれる、辛口でありながらフルーティーさも感じられるフランスのプロヴァンス産のロゼがおすすめです。タケノコ本来の甘みが口の中で広がります。

心躍る春。是非、旬の春野菜とワインを楽しんでみてください。

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Fumi(長南 史香)

フードコーディネーター
和洋中に関わらずと幅広い毎日の食事に合うワインを日々探求中。
ちょっとした一手間で美味しくなる料理と、その料理を一層引き立ててくれるようなワインの魅力を伝えていく活動をしています。 Fumi(長南 史香)の記事一覧 

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