シャンパーニュに行ったら絶対買いたい!ビスキュイ・ローズ・ド・ランス

ビスキュイ・ローズ・ド・ランスとは?このお菓子の会社の歴史

ビスキュイ・ローズ・ド・ランスとは、フランス シャンパーニュ地方に代々伝わるお菓子で、ピンクの外観のビスケットです(ランスはシャンパーニュ地方の最大都市)。

現地では古くよりシャンパーニュやコトー・シャンプノワの赤ワインと合せて食べられていますが、現在も小規模生産者を訪れると、大皿に綺麗に並べられたこのお菓子を試飲中に出してくれたりします。

味は卵白を主体とした、あっさりとした味わい。「ローズ(ピンク色)」と名称になっていますが、特にイチゴなどの香り、味わいはなく、控えめで優しい味わいです。

ビスキュイ・ローズの歴史は古く、1690年頃から存在していたとのこと。

現在は、特許を取得しているフォシエ社(1756年創業)のみが生産していますが、約260年の歴史をもつ老舗といえます。

18世紀にはルイ16世にも献上され、フランス王室御用達のビスケット職人として宮廷で愛されていました。

ビスキュイ・ローズが生まれた当初はコトー・シャンプノワという、シャンパーニュ地方のスティルワインの赤ワインに浸して食べるものでしたが、シャンパーニュ用のグラスが丸く広がったタイプからフルートタイプに変遷していくのに伴って、シャンパーニュに浸して食べるのが主流となりました。

お菓子のラインナップとその製法

ビスキュイ・ローズは、元々は卵白による白いビスケットとなる予定でしたが、原料にバニラを使用しているため、焼き上がりに黒いツブツブが目立っていました。

それを上手に見えなくするために、カルミンという色素を使ってピンク色に仕上げています。

近年は海外でも人気が出たため、色んな需要にこたえるべく、他にもたくさんの種類のお菓子が製造されています。

白色ビスケットからフランス代表のお菓子ともいえるマカロン、シャンパーニュのコルクを象ったかわいらしいビスケットまで・・・。

クリスマスシーズンには、シャンパーニュと一緒に食卓に並ぶことが多くなるため、クリスマスセットなども販売されていました。

筆者はビスキュイ・ローズのみ試食しましたが、お値段もひと箱100グラムのビスキュイ・ローズが約2,50ユーロ(約330円)からとかなりお財布にやさしいラインナップになっています。

入れ物も、飛行機の預け荷物の中でバキバキに折れないよう強い味方である、箱入り・缶入りと選ぶことができます。

ビスキュイ・ローズを製造しているフォシエ社は、2006年にフランス政府より「フランス遺産の会社」として認定されたそう。これは、地方の伝統的な製法に忠実に従い丁寧に伝統製品を作る会社に対する認証です。

ちなみに、シャンパーニュの生産者に行くと出されることが多い、一番スタンダードのビスキュイ。このように、丸いお皿に綺麗に並べて試飲と一緒に出してくれます。

著者による味わいレポート・シャンパーニュとのペアリングの感想

ビスキュイ・ローズ単体では、口当たりは綿あめのよう。周りに砂糖がコーティングされているので、かんだ瞬間に優しい甘みが口いっぱいに広がります。食感はさくさくとしていて若干乾燥した印象。

ビスケットをフランス語でビス=キュイ(2度焼きする)という通り、時間をかけてじっくり焼き上げているため、さくっとした食感はたしかに液体に浸して食べるのがベストです。

ちなみに、食べている間、砂糖やビスキュイがボロボロとこぼれるのが難点ですが、フランスでは皆、バゲットのくずが食卓に落ちるのも気にならないようですので、ここはフランス流に、ぽろぽろこぼれても気にならないように(または、気になる方はよく浸してビスケットのくずが落ちないように)食べると良いかもしれません。

シャンパーニュとのペアリングですが、筆者はランソンのエクストラ・アージュ ブラン・ド・ブラン(長熟タイプ)とペリエ・ジュエのロゼシャンパーニュと合せたのですが、圧倒的にロゼが合いました。

ロゼだと本来持つフルーティーがきれいな酸味とともに引き立ちます。

ふんわりした味わいのビスキュイは、シャンパーニュの酸味を強く目立たせる特性があるため、それを補うための黒系ブドウ(ピノ・ノワールや、特にムニエ)由来のロゼシャンパーニュ(そしてできればブリュット以上にドサージュされたもの)とのペアリングがおすすめです。

考えてみれば、ビスキュイ・ローズ・ド・ランスが発明されたころは、シャンパーニュも今よりずっと甘めにドサージュされていたのと、現在のようにプレスの技術も発達していなかったため、自然に黒ブドウの果皮から色が移って、ほんのりピンク色のシャンパーニュが多かったため、そういったスタイルにこのビスキュイは良く合っていたのではと思います。

ちなみに注意点は、ビスキュイを液体に浸した瞬間、一気に柔らかくなりその一部がグラスの底に落ちるので、シャンパーニュをいただくときにいきなりビスキュイを浸すのではなく、一度シャンパーニュをゆっくり味わってから、ビスキュイをいただくのがおすすめです。

シャンパーニュ地方や、パリのどこで買えるの?

パリでは、ヨーロッパ中の美味しいものが揃う、ラファイエット・グルメやボン・マルシェのエピスリーで取り扱いがあります。

特にボン・マルシェでは、このクリスマスシーズンに目玉商品として、フォシエ社のビスケットが棚を丸ごと占めていました!

パッケージは、ピンクの缶入りが可愛くておすすめですが、たまに期間限定の色合いもの(創業260年記念の黒缶)がありますので、フランスによくいらっしゃる方はコレクションをしてみても。

軽い・可愛い・フランスらしいものとして、お土産にはぴったりですね!

浅野ゆり
フランス歴8年のワイン・シャンパーニュエクスポーター
東京のフランスワイン・イベントで生産者のワインに対する思いに触れたことでワインに目覚め、産地めぐりをするためフランスへ1年半の間渡航。帰国後インポーターに勤務。その後ワインをより深く学ぶためフランスへ再渡航し、ワイン醸造学校での2年間の学生生活の後、ブルゴーニュのドメーヌで研修、2014年にフランスのワイン国家資格取得。ワイン輸出業者数社にて経験を積み、パリの一つ星レストランでのソムリエールも経験、「美味しいワインで幸せな時間づくり」をモットーに、シャンパーニュやその他ワイン産地の通訳案内もしている。趣味はワイン産地巡りと写真撮影、一歳の愛娘とのパリの公園巡り。