喫煙できるカフェ・レストラン、どうしてなくならないの?
2003年に施行された『健康増進法』。
この第25条では、「多数の者が利用する施設」での受動喫煙の防止が義務づけられています。
「多数の者が利用する施設」とは、学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店などのことです。
にもかかわらず!タバコが吸えるカフェやレストランって、いっこうに無くなりませんよね。
ワイン愛飲家の皆さんの中にも、ワインは香りを楽しむお酒でもあるのに、なぜ、ワインをウリにするお店でも喫煙OKなのか??と感じている方も多いと思います。
政府が長年議論しているにも関わらず、どうして喫煙カフェ・レストランがなくならないのか…今回はこの点ついて考察してみたいと思います。
タバコが味覚をダメにする!? ワイン好きにタバコは天敵!!!
「ヘビースモーカーは味覚がにぶい」
なんてことを聞いたことはありませんか?実はこれ、化学的に自明のことだと言われています。
禁煙外来の先生によると、ニコチンの影響のひとつに「唾液が少なくなる」作用があるそうです。
また舌には、「味蕾(ミライ)」という味覚をつかさどる突起物が無数に存在します。舌のザラザラした部分ですね。
喫煙を続ける人ほど、ニコチンやタールによってこの味蕾が麻痺するため、必然、味にも鈍感になってしまうのだそうです。
料理や飲み物に、塩や砂糖を大量に入れてしまうヘビースモーカーさんは、これに該当します。
人間の舌は、甘味・酸味・辛味・苦味を感じる部分が決まっています。
フランスの医師であるN・ジェイコブ氏の報告によると、喫煙者は、このなかでも特に苦味を感じにくくなるという実験結果が出ています。
『良薬口に苦し』なんて慣用句がありますが、苦味は本来、毒を察知するための重要な器官…もちろん、ワインをテイスティングするうえで圧倒的障害であることは言うまでもなし!口内にタバコのにおいも残るので、「口のなかで常に別の味がしている」状態にもなってしまう。
健康面だけじゃない!ワイン好きにとって、まさにタバコは悪いことづくしなのです!
ワインは色・香り・味を楽しむもの!なかでも香りの役割は大きい!
バラエティー番組などで、ソムリエの方がグラスに注がれたワインをテイスティングして、ブドウ品種だけでなく、銘柄や産地まで当ててしまうのを見たことはありませんか?
あれはワインを判別するポイントを定めているのです。
まず、色(外観)!
もちろん、味!
そしてなにより、香り!
ワインには様々な形容詞が決まっていますよね。たとえば「腐葉土のような」とか「火打石のような」とか。
でもたしかに、重い赤のブドウ品種・ムールヴェードルは本当に土とカビっぽい後味がしますし、白ワインのシャブリだと火打石というかミネラルとラインパウダー(石灰)の香りがします。
それは香りじゃなくて味では?と思われるかもしれませんが、たしかに鼻だけではわかりにくいものもある。
で、実際に一口ふくんでみる…。
すると舌から、まるでストレートパンチのように芳香がやってくるのです。
このように、ワインを楽しむ上では、香りは味覚にも影響を与えているのです。
ワインを“ウリ”にしているのに喫煙OKって?自民党たばこ議連の逆襲
レストランの強豪ひしめくシャレオツエリア、東京都港区。
青山や六本木、お台場を含むこの港区では、2014年から「みなとタバコルール」というものが導入されました。
簡単に言うと、
①吸いガラのポイ捨て禁止!
②屋外での喫煙禁止!
③お店側も配慮すること!
この3つがポイントになっています。
にもかかわらず、この港区、喫煙レストランが多い多い!
ワインの品ぞろえを売りにしているのに、喫煙OKのレストランなんてざら!
その理由はおそらく、自民党たばこ議連の圧力のためと推察できます。
自民党たばこ議連は、耳なじみがあるのではないでしょうか?ようするに、政界のエライ方で作られたタバコ愛好家団体です。
野田議員や茂木元経済相が中心となっていますね。また現副総理の麻生さんも大のタバコ好きで有名。
彼らの圧力!?によって、2017年6月、受動喫煙対策を強化するための法律改正が、今国会では見送られることになりました。
政治家スゴイ!というかエグイ!
以前の記事で「ランチョンテクニック」について触れましたが、政治家が飲食店で会合をするのはごくごく自然なこと。
その場で全面禁煙なんて、彼ら喫煙政治家さんにとっては考えられないことなのでしょう。
とはいえ、それって一般の人々の立場にたっているのか疑問ですね。
少なくてもタバコ購買者は日本人人口の半分以下なわけですから、タバコ嫌いの気持ちも少しは考えてくれたらな…なんて思ったりします。
ちなみに6月の一件は、巷では「受動喫煙防止・春の陣」などと呼ばれているそうです(笑)
現在、東京都知事の小池百合子さんは大のタバコ嫌いをかかげていますから、今後どのような合戦が展開されるのか、楽しみですね!
まとめ
以上、味覚問題と政治家の視点からの受動喫煙法に関する考察でした。
好きな人と嫌いな人、両極端に別れるタバコ…。
私はタバコを吸っていた時期はありませんが、仕事と割り切っているときはともかく、ゆったりとしたプライベートの食事中にタバコの煙を嗅ぐとしんどいです。
好き・嫌いではなく、息苦しいし、ノドがぴりぴりする…!
アルコール中毒やアレルギーとはちがうのでしょうが、あぁ、タバコってふつうに有毒物質なのだなと感じてしまうことがあります。
タバコ好きの方には恐縮ですが、今後「受動喫煙防止・冬の陣」で店内全面禁煙が可決され、どのお店でも快適にワインや食事が楽しめるようになることを願っています!
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