ソムリエ vs AI!伊勢丹新宿本店でソムリエAI実装!あれって結局どうなった?
2016年8月。伊勢丹新宿本店にて、『ソムリエAI』が導入されるというニュースが報道されたことを皆さんはご存知でしょうか?
人間のソムリエではなく、AIがお酒を進める時代になった…!?
個人的にとても感動したのを覚えていますが、はてさて、あれって結局どうなったの?
ウケたのか?ウケなかったのか?
ソムリエvs AI!
AIが人間の味覚を完全掌握する日は近いのか?
本日はこの点について語っていきたいと思います。
そもそも『ソムリエAI』ってなに?
伊勢丹新宿本店で導入された『ソムリエAI』は、AIベンチャー企業のカラフル・ボード株式会社が開発した人工知能アプリ。その名も『AI利き酒師』!
このアプリの仕組みは、
①人間の顧客が、三種類のお酒を試飲する。
②タブレットに「甘味」「酸味」「うまみ」「余韻」「コク」の五段階評価を入力。
③人工知能が顧客の味覚を分析・学習!
④事前に登録された商品から、もっとも顧客の好みに合うお酒を提案する。
…というもので、無料で利用可。
同社は、おなじく人工知能が人間のファッションをコーディネートしてくれる『SENSY』というアプリも開発しています。
ただし人間の味覚には個人差があり、数値化はとてもむずかしかったそう。
よって①と②の、人間が酒を試飲し、その感想から好みを予測する方法を採用したとのことでした。
もはや日常生活へのAI導入も、当然のことになりつつあるようですね!
AI導入ニュースから一年…伊勢丹新宿本店をおとずれてびっくり!ソムリエAIどこいった?!
そんなわけで、ソムリエAIを試してみようかと2017年10月、伊勢丹新宿本店の地下食品売り場へ行ってみました。
そしたらびっくり!
「ソムリエAI、現在はおいていないんですよ」
とのことだったのです…。
なんだかとても意外に感じて、せっかくだし、詳しくたずねてみることに。
Q1. どうしておいてないの?
ワイン売り場の女性販売員さんによると、そもそもソムリエAIの導入は、プロモーションとしての期間限定導入だったとのこと。
実際の導入期間はトータルでも一ヶ月無かったとか!
ソフトバンクロボティクス株式会社が開発したヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」くんとのコラボ企画も兼ねていたそうで、ソムリエAI常設の
予定は、後にも先にもない(!)そうです…。なんてこと…!
期間限定導入なら機会はあるかもしれないけれど、少なくとも年内にはないとのことでした。
Q2. ソムリエAIはウケなかったの?
そういうことではなかったらしい。
ただ個人的な感想としては、伊勢丹の食品売り場はフードコーディネーターにギフトコーディネーター、もちろんワインプロフェッショナルなどなど、至れり尽くせりの販売サービスを徹底しているから、AIの出る幕はなかったかも!というのが本音(笑)
Q3. 販売員の視点で、ソムリエAIは役に立った?
この質問は、販売員さんをすこし困らせてしまったかも(笑)
それでもさすが伊勢丹、丁寧にお答えしてくれました!
販売員さんによると、ソムリエAIの利点は、ワインになじみがない顧客に対しても対応できたということ。
ブドウ品種がわからない、フル・ミディアム・ライトなどの感覚もあいまい、「火打石のような」「腐葉土のような」みたいな形容詞なんてさっぱりだし、そもそもどんな食べ物をワインと合わせていいかわからない、といったワイン完全圏外のお客様でも安心。
AIは試飲したお酒を、たとえば「天ぷらと合わせてみたいか?」「お寿司だったら?」というような質問におきかえてくれるので、だったら合うかも!合わないかも!といった次の反応を引き出しやすかったそうです。
まとめ
先述したカラフル・ボード株式会社のホームページによると、人工知能アプリ導入の本来の目的は、顧客の満足度向上と、売り上げの拡大。
さらに新規顧客の開拓・獲得を実現すること。(http://www.dreamnews.jp/press/0000124509/より)
そういう視点から見ると、たとえばソムリエvs AIの構図って、論点がずれているのかもしれませんね。
AIの目標は、人間を追い抜くことではなく、人間の役に立つこと!
人間と人工知能、このページでは、ソムリエとAIが手をとりあうことで、よりすばらしいワインのペアリングが生まれるのかもしれませんね。
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